尊厳死の意思表示

(役場にて)
書記 :
いらっしゃいませ。丸の内公証役場でございます。
依頼者:
この間、遺言の件でお世話になった有楽町太郎です。その節はありがとうございました。実は不治の病に罹ったときに延命治療を断る方法について少しお聞きしたいのですが……。
書記 :
はい、ただいま丸の内公証人は面会中なので、こちらの椅子におかけになって少々お待ちください。よろしければこちらの用紙(入力フォーム)にご記入をお願いし ます。
依頼者:
はい。
(十分後)
書記 :
お待たせしました。こちらのブースにどうぞ。
公証人:
はい、丸の内です。今日は尊厳死の意思表示に関してということですが。
依頼者:
先日はありがとうございました。実は、先日、癌治療で入院している友人を見舞ったのですが、思ったより衰弱していて、意識はなく、植物状態で人工呼吸器を付けられていて、大変ショックを受けました。身内の方に伺ったところでは、奥様とお子様とで治療方針に違いがあり、医師の勧めもあって、人工呼吸器と人工栄養補給器が付けられたのだそうです。あんな風に生き延びるのは本意ではないし、是非避けたいと思いました。帰って長男に聞いたら、元気なうちに自分の意思をはっきりさせておく方法があるというようなことをいっていました。先生、何かいい方法があるんでしょうか。
公証人:
なるほど、私もよくそんなことを考えますよね。
結論としては、尊厳死宣言公正証書というのを残して置くのがいいと考えます。 最近では、自分の生き方そのものを自分で決定する権利というものが広く認められるようになってきましたよね。自分の生き方というのは自分の死に方も含みますから、不治の病に罹ったときに、どんな治療を望むかを自分で決定し、自分らしい死を迎えるという選択を尊重しようという風潮が行き渡ってきました。そんな状況の下で、元気なうちに、そのような意思を明確に宣言し、これを確かな形に残しておいて、いざというときには、それを医療関係者や身内の方々に示すことができるようにしておけば、ご希望を叶えることができると思います。この意思を明確に宣言し、これを確かな形に残しておくため に作るのが尊厳死宣言公正証書です。
依頼者:
子どもが言っていたのは間違っていなかったんですね。では、どのようにしてお願いすればいいのですか。
公証人:
貴方の実印と印鑑登録証明書が必要ですのでご準備ください。なお、承諾書と公正証書の案文はこちらでご用意したものをお送りしますから、それでよいかどうかを検討してください。

必要な書類が整ったら、役場に来て頂く日を調整しましょう。 とくに、証人を必要ともしませんから、ご都合がよろしい日に一人できていただいても結構です。
依頼者:
よく分かりました。
公証人:
日程調整は、書記が対応しますので、よろしくお願いします。 なお必要経費は、手数料1万1000円と公正証書用紙代が数千円程度です。
依頼者:
はい、ありがとうございます。よく考えてみます。