私文書の認証

依頼者:
もしもし? この間お世話になった有楽町太郎です。
書記 :
お電話ありがとうございます。今回はどのようなご用件でしょうか?
依頼者:
実は今、娘と娘婿が揉めておりまして……。どうも婿が学生時代の恋人と不倫をしていたようなのです。娘に話を聞いてみたところ、子供も小さいし夫も反省してい るようなので離婚までは考えていないと申します。ただ父親としては今後が不安なので、不倫の事実を認めた上、もし今度同じような事があったら一定額の慰謝料を払い、子どもの親権者を母として離婚す るという覚書を婿と娘で作っておくのがよいと考えています。このような文書に法的な効力を発生させることはできるのでしょうか? 民法に記載されている「夫婦間の契約取消権」が気になっているので すが……。
書記 :
なるほど、だいたいお話は分かりました。おっしゃる通り、民法第754条に「夫婦間の契約取消権」があります。ここで夫婦間の契約は、第三者の権利を害しない 限りは、婚姻中いつでも夫婦の一方から取り消すことができる、とされています。これは夫婦間における契約というものが一時の気まぐれによるものであったり、または一方による圧力によるものであった りするため、そこで起きる契約というもののもつ不確定要素を考慮した権利であるといえます。このような場合に有効なのは、私文書(私人が署名押印した文書)の認証です。
依頼者:
認証、といいますと? 聞き慣れない言葉ですが……。
書記 :
そうですね、たとえばある文書に有楽町様の署名や押印があっても、本当にそれが有楽町様が署名、あるいは押印した文書であるかという点に疑いが残ります。公証 役場で認証を行うことで、その文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことが明確になるわけです。
依頼者:
公証役場で認証すると民法の「夫婦間の契約取消権」が適用されなくなるのですか? 
書記 :
いえ、そうではありません。ただし、これまでの判例は、夫婦関係が破たんに瀕している場合は契約を取り消すことを認めないと明示しています。 つまり、誓約書の「配偶者が○○したら~」の○○の部分が、不倫や家庭内暴力等、客観的に見て夫婦関係の破たんの引き金になるようなものであれば、誓約書を作成する意義はあるといえます。夫が 浮気をしたために、妻が離婚裁判を起こしたとき、「あの誓約書は無効だ!」といっても通用しないわけです。 さて、万一離婚訴訟に発展した場合にも、この誓約書は事実関係を明らかにする証拠書類となり得えます。そして公証役場での認証を行なっておくと証拠書類としての力がはっきりするのです。
依頼者:
なるほど、そういうことなのですね。よく考えてみます。ちなみに手数料はいかほどでしょうか?
書記 :
そうですね、誓約書に記載する慰謝料の額にもよりますが、5500円から1万1000円になります。詳しくは、こちらをご覧く ださい 。もっとも、誓約書の名宛て人は娘さんですから、娘さんがそのような覚書を本当に作らせたいのかの意思確認が必要ですし、認証の依頼は夫婦お二人ですから、お婿さんと娘さんがごそれぞれお 二人で役場に出頭して下さる必要があります。その点ご理解下さい。
依頼者:
ありがとうございました。では詳細が決まり次第、またご連絡させていただきます。
書記 :
お待ちしています。


・手数料の説明