任意後見

書記 :
お電話ありがとうございます。丸の内公証役場でこざいます。
依頼者:
もしもし? この間、遺言の件でお世話になった有楽町太郎ですが、丸の内公証人はいらっしゃ いますか? 任意後見の件でご相談したいのですが……。
書記 :
はい、少々お待ちください。
(一分後)
公証人:
はい、丸の内です。
依頼者:
先日はありがとうございました。実は先日もちらっとうかがった任意後見についてご相談したい のです。将来、万一ボケてしまったらと不安になってしまいまして……。
公証人:
なるほどなるほど。たしかに判断力がなくなると金融機関は預貯金の払戻しにも応じませんし、 介護施設への入所契約も思うに任せません。振込め詐欺や違法な訪問販売の被害者になったりしても困りますからね。任意後見契約公正 証書の作成を検討される価値はあると思います。
依頼者:
はい。ただ、二人いる息子のうち、どちらに後見人を頼めばいいのか悩んでしまいます。かえって仲違いが起きたりしないか心配で……。
公証人:
もし、身内の方に適任者がおられないようでしたら、弁護士・司法書士・行政書士・社会福祉士などの中に熱心に取り組んでおられる方もいますから、そうした方に頼まれるのも良いと思います。もっとも、これらの第三者の方に依頼する場合には、報酬の支払が必要になりますから、その点は頭に入れておいてください。
依頼者:
あ、そうなんですか。てっきり身内でなければだめかと思っていました。では第三者に依頼することも検討に値しますね。ちなみに、任意後見はいつから始まるのでしょう?
公証人:
そうですね。実際にお客様ご本人の判断力が低下した状態になったと認められる場合、任意後見契約でお願いした後見人が家庭裁判所に対し、任意後見人を監督する立場となる任意後見監督人の選任申立てをし、家庭裁判所がこれを認めて、「任意後見監督人」を選任したときから、任意後見が始まります。
依頼者:
では、その前に足腰が弱くなるなど、身体的な不具合が起きて、財産管理や身の回りの世話をしてもらいたい時は、どうしたら良いのでしょうか?
公証人:
その際には、任意後見契約と同時に、財産管理や身の回りの世話を、信頼できる人に範囲を定めてお願いする内容の委任契約を公正証書で結ぶことができます。これにより、一定の限度で可能になりますのでご検討下さい。この場合、公正証書に含まれる契約が2つになりますので、手数料が2件分必要となります。
依頼者:
よく分かりました。
公証人:
もし、任意後見契約公正証書を作ると決められたなら、以下の書類を用意して、後見をお願いする予定の方と一緒に役場に来てください。ただ、大事な財産の管理や処分を任せてしまうわけですから、任せる範囲や候補者をだれにするのかなど、慎重に考える必要がもちろんあります。よくお考えになって決めてください。
依頼者:
はい、ありがとうございます。よく考えてみます。